3月11日ですね。昨年は「311の社会学」という授業をやってみました。311が開示した日本社会の様々な問題点を、いくつかのテキストを読みながら学生といっしょに考える・・・という企画でした。ところが、九州の学生たち、予想以上に「東北は距離的にも心理的にも遠い」んですね。ちょっと愕然としました。映像や歌や絆というコトバを繰り返しているだけでは、どんどん表層的に風化していくだけのような気がします。昨年の授業では大澤真幸さんの『夢よりも深い覚醒へ』(岩波新書)をじっくり読んだのですが、学生は、みな、難しい、分からない、という感想のオンパレードで、当初受講した40名くらいうち、半数が脱落してしまいました。ちょっと残念でしたね。
・・・補足すると、残った半数の学生たちからは、すごく面白かった、すごく考えさせられた、という感想をもらったのです。
現在の「ニッポン」に問題意識をもっているかどうか、問題意識を持てるかどうか、ということかもしれませんね。
昨年卒業した学生には、東北にボランティアにいったのもいましたが・・・その後は、後に続く者が出ているのかどうか。今年も、卒論で長崎県東彼杵への原発避難者を調べた学生がおりました。
https://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/43/2/4313560.html


『夢よりも深い覚醒へ』

311

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