20年ぶりの軽井沢
軽井沢とは峠をこえてすぐ近くの群馬の田舎町で生まれ育ったので、これまで軽井沢には何十回となく来ていると思います。
昔は国道18号線しかなかったから、夏になると群馬のほうから、ずっと渋滞ができていました。峠をこえて長野にはいり軽井沢町になると、空気ががらりとかわってひんやりとした高原の風、まるでハイカラな異国にきたような感じになったのを覚えています。
でも、九州・福岡に引っ越してからは、遠くなりました。かれこれもう20年くらい来ていませんでした。
今回「風立ちぬ」に触発されて、じつに久しぶりの軽井沢。
ずいぶん変わったなぁ、という実感。なにしろ、新幹線がきてる、信越線は終焉してる、ローカル線では来られない。高速道路も来ているから隔世の感あり。
でも、表通りからちょっと入ると、昔ながらの風景もあって、やっぱり軽井沢は良いですね。ちょっと混みすぎですが。
思うに、軽井沢は、日本人の西欧へのあこがれが作り出したテーマパークのようなもの。堀辰雄をみれば、それがよく分かる。
ここは日本であって日本でない。明治の頃、一種の「租界」としてはじまりました。その雰囲気は、いまも濃厚に残っていますね。
日本の中のコロニアルな世界。だから、ここには、アジアの風情は、極力消し去られている。植生も、カラマツを大規模に植林したりして、がらっと変えたのですね。昔ながらの日本の森林ではない。だから、まるでボストンのような、ニューヨーク郊外のような、ロングアイランドのような雰囲気です。
軽井沢はショー牧師がやってきて127年とか言うことです。日本の近代化の120年がタイムカプセルのように残されているんですね。


堀辰雄ゆかりの油屋

堀辰雄ゆかりの油屋

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