現在、学生たちといっしょに、福岡県柳川市から委託研究をうけて「柳川市若者定住促進会議」のためのフィールドワーク調査を行っています。
そこで、昨晩、ジブリのDVD、高畑勲監督(宮崎駿プロデュース)の『柳川堀割物語』(1987)を見ました。
これは、なんという映画でしょうか。3時間近い長編で、映画であって映画でなく、記録映画なのか、ドキュメンタリーなのか、とにかく突出した映画です。
ちょっと似たかんじの映画といえば、もう30年以上もまえの、小川伸介監督の『ニッポン国古屋敷村』(1982)でしょうか。
自然と科学のドキュメンタリー&人間ドラマ、という仕立て方、そして長時間のゆっくりじっくりした長回し、似てますね。
さて、この映画で、私ははじめて、柳川の堀割が、なぜ、このような複雑な堀割であるのか、はじめて科学的・歴史的な観点から理解できました。堀割には、理由があったんですね。
また、時代の流れで、堀割が、一時期ひどくすたれて、ゴミ捨て場のようになって、あやうくコンクリートで埋め尽くされそうな危機があったこと、そこに忽然と現れた一人の水郷を愛する柳川市役所マンがいたこと、そして柳川市民が立ち上がって、V字回復してきたこと・・・これは、最近フィールドワークした事例でいうと、静岡県三島市の「源兵衛川」の事例、グランドワーク三島ととっても似ていますね。そして三島よりも柳川のほうが、ずっと早かったのだ。
これは、人口減少・衰退という現在の柳川を、もういちどV字回復させるうえでも、とても参考になるドキュメンタリー映画だと思います。


柳川堀割物語2


 

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