今年も、夏の利賀村で「SCOTサマーシーズン」が始まりました。
九州からだと、途方もなく遠い(行きにくい)富山の山中にある「利賀芸術公園」ですが、今年も数千人の観客であふれています。
鈴木忠志とSCOT(Suzuki Company of Toga)は、もう30年以上にわたって過疎地の合掌集落に拠点をかまえて演劇に打ち込んできました。夏のサマーシーズンには世界中から人びとが集まります。いわば過疎地における村おこしの原型のひとつです。
ところで、鈴木忠志さんのトークで驚かされたことがありました。このサマーシーズンが始まった当初、利賀村の村民は1700人、そこに日本や世界から1万人以上がやってきていたそうです。現在も、集客力に変わりはありませんが(むしろ国際化が進んでいて海外からの客がふえている)、村民は500人にまで減少しました。数年内には170人ほどになるということです。たしかに利賀村には民宿も少なくなって、宿泊には苦労します。これを聞くと、日本における都市と地方との格差や「限界集落」問題の深刻さに、あらためて胸ふさがれる思いです。「地方」からみると、人口減少で「ニッポンがお亡くなりに」なりはじめているのです。


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