東京自由大学
東京神田に、NPO法人・東京自由大学というのがあります。
先日、神田の路地裏のビルの一室にあるこの小さな「大学」で、社会学者・大澤真幸さんのゼミ(というか講義)に出席してきました。
大澤真幸さんは、じつは、大学時代の同級生で親友です。現在、もっとも活発に言論活動をしている社会学者のひとりだと思います。
311後の日本社会についても活発に発言していますが『夢よりも深い覚醒へ―3・11後の哲学』(岩波新書)などは、私の演習でも取り上げてじっくりと読みましたが、じつに多くのことを考えさせてくれるものだったと思います。
小泉時代の郵政民営化選挙、前回の民主党政権奪取の総選挙とくらべて、今回の選挙でなぜ投票率がこれほどまでに低かったのかについて、じつに卓越した分析を話していました。前回2回の総選挙は、実質的に私たちの生活の根幹に関わる本質的な問題ではなかったので、安心してして「エレベーターの閉ボタン」をみんなが一所懸命押すように、投票した。それにたいして、今回の選挙は、実質的な選択ができる「自由」を与えられたにもかかわらず、私たちはこの「選択」のまえに「ひるんでしまった」。喩えていえば、生活習慣病にかかった私たちが「いずれ、生活を変えなければならない」ことは分かっていても、すぐに生活習慣を変えろと言われると、「きょうからなんて、いきなりできないよ」「いずれするよ、いずれ」とかえって猛反発したのではないか、と分析していました。ほんとうに、そのとおりですね。


東京自由大学

Tagged with →  
Share →