From the monthly archives: "9月 2013"

福岡ユネスコ協会の企画委員会がありました。11月16日に、社会学者の大澤真幸さん、憲法学者の木村創太さん、アジア社会論の中島岳志さん、経済学者の小野小野善康さんを招くことが決定し、福岡ユネスコ協会・設立65周年シンポジウムの全体像が見えてきました。参加する論者が確定したので、あとは、どんな内容にしていくのか、なっていくのか、喧々がくがくの議論をしました。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~fukuoka-unesco/


福岡ユネスコ協会

富山のレトロなシネマ食堂街
シネマ食堂街のネコのことを書いたら、出版社の人から「ここには有名な中華料理店粋宏閣があります」と教えられました。なかなかディープな一帯で、再開発直前の、レトロで、うちすてられた寂しげな感じがよく残っていますね。
富山には、レトロなチンチン電車も走っていて、おりしも、おわら風の盆だったからでしょうか。花電車も走っていました。


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富山駅は、新幹線の駅を作るので大工事中。駅前には映画館がそのままレトロな食堂街になった「シネマ食堂街」が。看板のうえには、ネコちゃんがまどろんでいる。「シネマ食堂街」に足を踏み入れてみると、ほとんど閉まっております。レトロでゆるくて、ネコまでいて、良い雰囲気だなぁ。


看板のうえでまどろむ

看板のうえでまどろむ

富山市内の稲荷ネコ

富山市内の稲荷ネコ

おいなりさんに

おいなりさんに

利賀村・SCOT本部
利賀村には6つの劇場があるそうです。
それだけではなく、劇団SCOTの本部や、鈴木忠志さんたちスタッフの住居やゲストハウス、その他の多くの施設があるんですね。
川沿いに利賀村を歩くと、そこには、様々な劇団施設がありました。


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野外劇場

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時のたつのは早いもので、富山県・利賀村に行って演劇を観てから、あっというまに一週間がたってしまいました。
利賀村での宿泊は農家民宿でした。劇場からは山をこえた別の集落のようなところにありましたね。夜はまっくらで、劇がおわって民宿にたどり着いたのは夜11時すぎでした。朝起きてみたらこんな絶景だったんです。目の前は、そば畑で、ちょうど、そばの花が満開。おいしいわき水があふれていて、いろりには熊の毛皮が敷いてあります。とっても牧歌的なんですが、冬には積雪4メートルになるそうです・・・。


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大学&大学院時代・社会学科の同級生、田中秀隆くんが、『現代語でさらりと読む茶の古典 岡倉天心 茶の本 THE BOOK OF TEA』を出版されました。
友人の田中秀隆くんは、何をかくそう、いまや、田中仙堂を襲名して大日本茶道学会・副会長なんですが、ここでは仙堂ではなく、研究者として秀隆の名前で出ているようですね。福岡にも時々、お茶の指導に来ているそうです。

【注】
出版社のサイトには「近代の名著として名高い『茶の本』は、明治39年(1906)に岡倉天心(1863 〜1913)が英語で書きアメリカで出版した書物です。そのタイトルや、再編集された利休の逸話・切腹話が多いことから、「茶道」について説きおこした本とも思われがちですが、実は、ハラキリで欧米に認知されていた当時の日本人を、日本の文化を擁護するために、欧米でも飲まれている「茶(紅茶)」を引き合いに出し、理解を求める意向で執筆されたものでした。七章からなる本文は短いものですが、どう解釈するかは訳者に負うところが大きい書でもあります。今回は、茶の道学実を兼ね備えた筆者が原文に挑んだ、茶の湯関係者待望の一冊です」・・・とあります。
岡倉天心、ボストン美術館で活躍して、アメリカに日本文化を導入した先達ですからね。
http://www.tankosha.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=1576


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九州大学でエズラ・ヴォーゲル先生の講演会がありました。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」が出版されたのが1990年らしいので、学生・院生が生まれる前のことですね。いまや、だれひとり、日本がナンバーワンだなどと思わない時代になりました。私がたまたま滞在していたハーバード大学でヴォーゲル先生の退職記念講義に出席したのが2000年ですから、それももうだいぶ前のことになります。ハーバード大学には「定年」というきまりはありませんが、いちおうの目安としてあるのは70歳だそうです。ですから、現在、御年83歳くらいになるのかなぁ。今回は「鄧小平」についての大著について語られました。すごいですね。80歳をこえてかくしゃくとしていて、英語でなく流暢な日本語で講演されました。現在は、日本より中国研究のほうに力を入れておられるようですが、それはアメリカにたいする一種の責任感だとおっしゃっていましたね。


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NPO法人「たすけあい佐賀」のことは、2003年に出版した『介護系NPOの最前線―全国トップ16の実像』(ミネルヴァ書房)でも大きく取り上げています。あれから10年、着実に発展してきていますね。介護保険制度のほうは、紆余曲折、ダッチロールが多く、頻繁な制度改正もあって、福祉NPOにとっては必ずしも順調な道のりではなかったと思いますが、「たすけあい佐賀」のほうは、福祉NPOの中でももっともがんばっている団体のひとつではないでしょうか。
今回、事務局のお話しをうかがいながら、なるほど、これがその秘訣か、というようなところがいくつも発見できました。
『介護系NPOの最前線』が出版されてから10年、その後の展開をふまえてそろそろリライトしたいですね。


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九州最大級のパワフルな福祉NPO「たすけあい佐賀」を訪問しました。『介護系NPOの最前線』(ミネルヴァ書房)などで取材にうかがって以来、何度目かの訪問ですが、今回は東京からやってきた市民福祉団体全国協議会のメンバーとともに、二日間かけて「たすけあい佐賀」が展開する11の事業所すべてを訪問させていただきました。「たすけあい佐賀」代表の西田さん、副代表の吉村さん、事務局の山田さん、福島さん、たいへん、ありがとうございました。


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ニッポンがお亡くなりに。
今回の利賀村の演劇のハイライトは8月31日夜に上演された「世界の果てからこんにちは」だったろう。
台風の影響で降りしきる雨の中を、野外劇場をびっしりと立錐の余地もなく埋め尽くした観客の中で「世界の果てからこんにちは」が上演された。
これは、鈴木忠志演劇のエッセンスがつまった花火ショーとも言うべきもののようで、舞台では演劇が、背後の池では花火が、さらにその背後の山はライトアップされて、一種、荘厳な雰囲気に包まれる。
多彩な花火が、空襲や爆撃や特攻隊の自爆のように使われる。そして背後に浮かび上がる日本の里山。
その中に「ニッポンがお亡くなりになりました」というメッセージが届けられる。
「世界の果てからこんにちは」が最初に上演された20年以上前には、バブルで失われた日本の古き良き面影のことがイメージされたのではないか。
ところが、いま、これをきくと、冗談ではなく、ほんとうに、日本全体が逝去していくかのようなリアリティがあるのだ。
降りしきる雨の中でずぶ濡れになりながら、心底、畏怖を感じさせる芝居だった。


世界の果てから

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日本がお亡くなりに2

野外劇・鈴木忠志

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昨日は私の所属する共生社会学コースの大学院の夏季入試でしたが、受験生はたった二人。そのうち、われわれの共生社会学を志望した唯一の学生は、欠席だった。大騒ぎして入試問題作ったのに、ちょっと虚しい。
私が学生の頃、大学院入試は、けっこう難関だった。真剣に受験勉強や語学の準備をして備えた(何しろ、英語だけでなくフランス語もあった)。
大学院に進学すると、何か、次の新たな世界が開けてくるように感じていた。
その後、大学院重点化などと、各地で大学院の規模も定員も拡大したが、今では志望者や受験生を確保するのがたいへんだ。かつての夢は剥落してしまったのだろうか。でもそれは大学院に限ったことでなく、日本全体から、夢や将来への期待が、しぼんでいるのを感じる。
夢や期待が持ちにくい時代。身近で安全なところで小満足していく傾向。縮みながら老いて衰退していくのが日本の未来なのかなぁ。


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ハリアーさん危篤。出張から5日ぶりに戻ってきて朝クルマのエンジンキーを回す。エンジンはかかるがすぐにストールしてしまう。ちょっと前から前兆はあった。しかしこれまではストールしそうになったらすぐにアクセルをふかすと通常のアイドリングに戻っていたのだが、今朝はそうはいかない。いよいよ来たか。しばらく奮闘してからトヨタの修理工場に電話する。おりあしく休業日。JAFに連絡。修理はできない修理工場までレッカーするだけ、と言われる。しかたなくレッカー予約。翌朝レッカーしてもらう。診察結果は、エンジンフローめぐりの故障。部品交換ふたつで8万円近くかかるという。痛いなぁ。思えばこのハリアーもわが家にきて13年になる。中古を購入したのだから実年齢は15歳以上。とうに13万5千キロを超えて、いまどきのクルマにしたら長寿なのかな。人間だって高齢化してるし、ここまできたら、介護しながら、もうちょっとがんばろうか、と高額の修理を頼んだ。でも不思議なのは、そろそろ買い換え時かなぁ、などと家人と話したりしている気配を、こいつが敏感に察知して、へそをまげた気配が濃厚なこと。クルマにも気持ちがあるんだなぁ。「おれを見捨てるつもりなのか」と機嫌をそこねたのに違いない。人間と同じですね。気持ちが大切。すまんすまん。


ハリアーさん

NPO法人「はかた夢松原の会」では、創立25周年記念の事業として、名誉理事長の川口ミチコさんの聞き書き『女の一生』を出版することといたしました。つきましては、9月12日(木)午後6時30分から、西日本新聞会館16階 福岡国際ホール 大ホール、にて、出版記念パーティを催します。ご案内申し上げます。


川口道子さんパーティ案内

私も副理事長をつとめるNPO法人「はかた夢松原の会」の名誉理事長・川口道子さんの一代記『女の一生』が出版されます。その出版記念会も、来週12日に予定されています。御年92歳、戦前戦後をたくましく生き抜いて、NPOの時代をも駆け抜けてきた福岡の女性リーダーの川口道子さん、現在もお元気そのものです。


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鈴木忠志のSCOTの演劇を観ていても、日本の演劇の二つのルーツは、能と歌舞伎なのだろうか。
十月には、秀吉が朝鮮出兵の拠点とした歴史的な唐津市の名護屋城跡で、ひさしぶりに薪能がある。
これは、見逃せない。
前回は、バスツアーで行ったから、中途半端なところで帰ることになってしまって心残りだった。
今回こそは、ぜひ。


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「ディオニュソス」に続いて「鈴木忠志が語る、利賀」。
30数年前に、さんざ批判を浴びながら東京をでて、40人の団員とともに奥地の利賀村にやってきて、一年後には半数に減ってしまったという苦労話から、いかに過疎の村に根づきながら、芸術としての(芸能ではなく)演劇を作ってきたかを熱く語る鈴木忠志。
おや、近くには、民主党の国会議員(元幹事長のHさんとかFさんとか)もいるぞ。前で質問してるのはNHKのEテレで姜尚中さんと日曜美術館をやっていたアナウンサーだな。今年の利賀村をTV取材しているのだろうか。


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はるばる富山県・利賀村について鈴木忠志の劇団SCOTの第一弾は利賀大山房という新たにできた大劇場(というか廃校になった体育館を劇場に改築したもの)での「ディオニュソス」。
これは昔「バッコスの信女」と題されていた劇。いきなり異様な緊張感と集中力ある劇を見せつけられた。
すごい。


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九州大学の出水薫先生から、貴重なイベントのお知らせです。
宮古島の「神謡」をめぐるドキュメンタリー『スケッチ・オブ・ミャーク』(大西功一監督)の上映会&監督トークをおこないます。
福岡では1回のみの上映です。

9月16日(敬老の日)
KBCシネマ 18:00
当日券のみ:学生1000円、一般1500円

主催:
 西南・九大学生実行委員会
 九州大学法学部政治学ゼミ
 西南学院大学 学内GP「ことばの力養成講座」

映画公式サイト
http://sketchesofmyahk.com/index.html


ミャーク

友人の社会学者・大澤真幸くんに誘われて、富山県の利賀村まで、鈴木忠志の劇団SCOTの夏シーズン2013に行ってきました。
http://www.togapk.net/sss/2013/
福岡からは遠いですね。まず名古屋にとび、翌朝、利賀芸術劇場のチャーターバスで4時間半、山間の利賀村に到着。はるばる来たなぁという感慨がありました。
さて、その甲斐はあったか。
じゅうぶんすぎるほどあったと申せましょう。


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野外劇場