小津安二郎 の世界-北鎌倉の旧小津安二郎邸
旧小津安二郎邸
2008/10/30
晩夏に鎌倉を歩いた。湘南国際村でスクーリングをする用事があるので、毎年、鎌倉を訪れるのだ。毎回、テーマを決めて歩くことにしている。今年のテーマは、小林秀雄の「山の上の家」と小津安二郎の旧宅をを探し当てることだった。
北鎌倉と言えば、私には小津安二郎の映画のイメージと切り離すことが出来ない。
毎年、北鎌倉を通るたびに、ああ、小津安二郎の世界が、まだここには残っている、と感じる。
その小津安二郎が晩年住んだのが北鎌倉である。様々な資料やガイドブックによれば、その家は、北鎌倉の浄智寺近くにあるはずである。しかし手がかりがな い。そこに『小津安二郎をたどる東京・鎌倉散歩』(貴田庄、青春出版社)が現れた。ここに決定的な事実が記されている。すなわち小津安二郎宅は、有名な日 本画家の隣だというのである。これで手がかりがつかめた。
歩けば、それはあっさりと発見できた。しかし現在は小津とは関係のない人が住んでいるということで、さっと外から眺めるにとどめる。
浄智寺の周辺
ここが旧小津安二郎邸の入り口となる
こんなに小さなトンネルを抜けていくことになる。ディープだ。
トンネルの向こうにはこのような世界が広がっていた。どちらかが旧小津安二郎邸だと思われる。
浄智寺の世界
こんな世界は京都でも、なかなか見つからないだろう。
浄智寺境内
東京物語の風景
ボストン便り-Boston Collegeの卒業式
Boston Collegeの卒業式
アメリカの大学は卒業式シーズンだ。一週間ほど前にはボ ストン大学の卒業式があった。ハーバード大学は6月初旬だそうだ。5月25日に、Boston College は卒業式。この時期、ホテルは満杯状態。なぜかというと、家族や親族、友人たちがこの卒業式に駆けつけるからだ。Boston College のschool of social workの卒業式でも、卒業生の4~5倍の、家族席が用意されている。 よって、このような巨大なスタジアムも満杯になるような大イベントなのだ。(この 大アリーナで行っているのは、school of social workではなくて、Arts & Science であるが)。あいにくの雨天のため、本来、屋外で行われるはずの、スクールごとの卒業式が、スタジアムの中で行われたので、このようなすし詰め状態での巨 大な卒業式。ちなみに、アメリカでは、graduation ともいうが、より公式には、commencement (フランス語だとcommencer ラテン語からきている言葉)という。この日、教授達は、自分の卒業した大学のローブ(大学によって色が違う)を身につけ、式にのぞむ。アメリカの大学に は、自大学出身者は、ほとんどいないので、教授のローブの色は様々。
さて、Boston College の卒業式もみたし、私もそろそろ日本に帰国する時期だ。
ボストン・バレエ
ボ ストンで初めてバレエ「白鳥の湖」をみた。もちろんチャイコフスキーの曲は小学生の頃から聴きなじんできたわけだが、チャイコフスキーの曲が、じっさいの バレエのどんな場面で演奏されるのかは、昨晩、初めてしったことになる。Bostix という当日のチケットを半額でうりさばくチケットオフィスがボストン公共図書館の真ん前にあるので購入して、ちょっとはやめの18時に図書館をきりあげ て、歩いてWang Theater というところにいった。内側は、ご覧のようにすばらしい空間である。
幻想図書館(4)— Harvard University Yenchin Library
ハーバード大学の図書館システムは「書館システムは1530万冊の蔵書を持ち大学図書館として世界最大級の規模を誇る。
この規模は、米国議会図書館に次いで全米2位の蔵書数であり、世界では米国議会図書館、大英図書館、フランスのビブリオテーク・ナショナルに次いで4位となっている。図書館システムの中心にあるのは、ワイドナー記念図書館で あり、その他、90個あまりの図書館を有する。 例えば、多数の日本語書籍を所蔵するイェンチン図書館やカウントウェイ医学図書館などがある。」(ウィキペディア)とある。ワイドナーは、美しい図書館だ が、内部撮影禁止のため、写真がない。ここでは、お世話になったイェンチン図書館をご紹介する。
ハーバード大学燕京(イェンチン)図書館
燕京とは、北京の古名
入り口から中へ。向かって左が図書館。
ハーバード大学を漢字にすると……
図書館のうらには、このような気持ちのよいバックヤードがあって、ランチのサンドイッチなどを爽やかな風とともに食べるのが楽しみだった。
ハーバード大学の外国語クラスの非常勤講師のための建物。 何人もの日本人が、ハーバード大学で日本語を教えている。
インフォメーション
安立清史(「超高齢社会研究所」代表、九州大学名誉教授)のホームページとブログです──新著『福祉の起原』(弦書房)が出版されました。これまで『超高齢社会の乗り越え方』、『21世紀の《想像の共同体》─ボランティアの原理 非営利の可能性』、『ボランティアと有償ボランティア』(弦書房)、『福祉NPOの社会学』(東京大学出版会)などの著書があります。「超高齢社会研究所」代表をつとめています。https://aging-society.jp/ 参照
カウンタ
- 378629総訪問者数:
- 22今日の訪問者数:
- 31昨日の訪問者数:
最近の記事
- マンガ版「君たちはどう生きるか」
- 『熱風』の「君たちはどう生きるか」特集
- 「君たちはどう生きるか」という問い
- 「君たちはどう生きるか」もうすぐフランスでも公開だそうです
- 戦争の時代に宮崎アニメを読む
- プラネタリウムで「銀河鉄道の夜」体験
- 12月に愛知県名古屋市でセミナー講師をつとめます
- 中村学園大学で「社会福祉とボランティア」の授業をします
- 「記者ありき─六鼓・菊竹淳」を観ました
- 西日本新聞で『福祉の起原』が紹介されました
- 社会学、出会い直しの会
- 『福祉社会学研究』に私の著書『21世紀の《想像の共同体》─ボランティアの原理 非営利の可能性』の書評が掲載
- 『共生社会学』Vol.12──退任記念号
- 市民協ミーティング2023 in 佐賀
- 8月、市民協が佐賀・熊本・鹿児島でフォーラム・キャラバン
- 「鈴木敏夫とジブリ展」に行きました
- 『福祉社会学研究』№20 での書評
- 京都の同志社大学で「福祉社会学会」設立20周年シンポジウム
- 大阪ボランティア協会の早瀬昇さんが『ボランティアと有償ボランティア』を書評して下さいました
- 『放送レポート』最新号で『福祉の起原』が紹介されています
- ブックトーク後のサイン会
- 新著『福祉の起原』のブックトーク
- 不思議なシンクロ──「鈴木敏夫とジブリ展」がスタート
- 『福祉の起原』発売記念 安立清史×村瀬孝生 トークセッション
- 『社会学評論』最新号に『ボランティアと有償ボランティア』の書評が掲載
- シンポジウム「見田宗介/真木悠介を継承する」
- UCLAのスティーブン・ウォーレス教授の逝去
- 超高齢社会に社会学からの解
- 九州大学からの海外発信
- 九州大学での最終講義を行いました(2023年2月6日)
- 新著『福祉の起原』(弦書房)が出版されました。
- 研究の国際発信──『超高齢社会の乗り越え方』
- 最終講義日程(九州大学広報室)
- 新著『福祉の起原』(弦書房)のカバーが決まりました
- 新年のご挨拶
- 見田宗介先生を偲ぶ会
- 戦争の乗り越えは可能か(西日本新聞・随筆喫茶)
- 「戦争の乗り越えは可能か」─「千と千尋の神隠し」から考える
- 佐藤忠男さんを偲んで(シネラ)
- 大阪・中之島の「大阪図書館」
- 北九州市立美術館の「祈り・藤原新也」
- 『「千と千尋の神隠し」から考えるこれからの世界』─香川県丸亀市でお話しをします
- 「コロナ禍のもとでのボランティアやNPO法人の活動の実態と課題──オンラインによる社会調査実習の試み」
- 「森田かずよ 世界に一つだけ、私の身体」を観ました
- 「伊豆の踊子」(1974)と「四季・奈津子」(1980)
- 名画座の打率
- 暗い眼をした女優─ミシェール・モルガン
- 『「千と千尋の神隠し」から考えるこれからの世界』
- 中井久夫さん追悼
- 見田宗介先生追悼─『社会学評論』№289編集後記
- 「ふたりのウルトラマン」とは何か
- 「ゴルバチョフ:老政治家の遺言」を観ました
- オンラインでの社会調査実習
- 村上春樹ライブラリーのジャズ
- 西日本社会学会年報に私の書評が掲載されました
- 西日本社会学会年報2022に、拙著『超高齢社会の乗り越え方』の書評が掲載されました
- 見田宗介先生、最後の年賀状
- 社会学者の見田宗介先生が亡くなられました
- NHK/IPC 国際共同制作「映像記録 東京2020パラリンピック」を見ました
- 「no art, no life」と「ツナガル・アートフェスティバル福岡」
- 九州大学文学部の卒業式
- 感慨も湧かないのか、かえって感慨深いのか──いよいよ卒業式です
- no art, no life 〜表現者たちの幻想曲
- 東京大学社会学の佐藤健二さんの最終講義
- 劇団・黒テントの創始者の佐藤信さんのお話
- 上野千鶴子先生が拙著『ボランティアと有償ボランティア』を西日本新聞で書評─「ボランティアとは何か、本質を再考するための論争的な書物となるだろう」
- 1930年代から1990年代の「香港映画」
- クレラー=ミューラー美術館に行く(22年も前のことですが)
- ゴッホ展(クレラー=ミューラー美術館)を観る
- 「社会学入門」のライヴ経験
- 北岡和義さんを悼む
- 「風の谷のナウシカ」を社会学する
- 『ボランティアと有償ボランティア』(弦書房)の電子書籍版
- ケベックで聴いた「ゲッツ/ジルベルト」
- 新年 の香港映画特集
- 新年のご挨拶──驚きの「天井桟敷の人々」
- 電子書籍化のお知らせ
- 沢木耕太郎のクリスマス番組「ミッドナイト・エクスプレス─天涯へ」
- 映画「生きる」を「最後の晩餐」から解釈する
- 3発目の原爆──「シン・ゴジラ」の社会学
- 12月8日に「日本のいちばん長い日(1967)」を講義する
- 悲しい楷の樹
- 抱腹絶倒──村上の世間話
- 「生きる」と「ゴジラ」と三島由紀夫
- 『共生社会学』Vol.11が発行されました
- 「生きる」の社会学(その2)
- 黒澤明「生きる」の社会学
- 「胡同の理髪師」を観ました
- 「山嶺の女王クルマンジャン」を観ました
- ひさしぶりの対面での講演
- 大島弓子さんの真骨頂
- 「千と千尋の神隠し」における「投票」のメタファー
- 村上春樹うどんツアー(中村うどん)
- 「讃岐・超ディープうどん紀行」(村上春樹)を追いかける
- 丸亀市で講演をします
- 『21世紀の《想像の共同体》』書評(日本社会学会・社会学評論より)
- 「新日本風土記」と「美の壺」
- 社会学入門はじまる
- 新学期ふつかめ
- 新学期はじまる
アーカイブ
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2019年3月
- 2019年2月
- 2019年1月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年9月
- 2018年8月
- 2018年7月
- 2018年6月
- 2018年5月
- 2018年4月
- 2018年3月
- 2018年2月
- 2018年1月
- 2017年12月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年9月
- 2017年8月
- 2017年7月
- 2017年6月
- 2017年5月
- 2017年4月
- 2017年3月
- 2017年2月
- 2017年1月
- 2016年12月
- 2016年10月
- 2016年9月
- 2016年8月
- 2016年7月
- 2016年6月
- 2016年5月
- 2016年4月
- 2016年3月
- 2016年2月
- 2016年1月
- 2015年12月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年9月
- 2015年8月
- 2015年7月
- 2015年6月
- 2015年5月
- 2015年3月
- 2015年2月
- 2015年1月
- 2014年12月
- 2014年11月
- 2014年10月
- 2014年9月
- 2014年8月
- 2014年7月
- 2014年6月
- 2014年5月
- 2014年4月
- 2014年3月
- 2014年2月
- 2014年1月
- 2013年12月
- 2013年11月
- 2013年10月
- 2013年9月
- 2013年8月
- 2013年7月
- 2013年6月
- 2013年5月
- 2013年4月
- 2013年3月
- 2013年2月
- 2013年1月
- 2012年12月
- 2012年11月
- 2012年10月
- 2012年9月
- 2012年8月
- 2012年7月
- 2012年6月
- 2012年5月
- 2012年4月
- 2009年8月
- 2008年10月
- 2008年8月
- 2006年8月
- 2005年8月
- 2004年8月
Count per Day
- 451348総閲覧数:
- 28今日の閲覧数:
- 32昨日の閲覧数:
- プロフィール
- タルコフスキーの『ノスタルジア』のロケ地を訪ねて
- 小林秀雄の「山の上の家」
- ロンドンでカール・マルクスが住んだ家
- 「ツィゴイネルワイゼン」と「陽炎座」を歩く
- 小津安二郎 の世界-北鎌倉の旧小津安二郎邸
- 「知られざるロシア・アヴァンギャルド」を見ました。
- 吉祥寺、井の頭公園、噴水、大島弓子、ゾウの「はな子」さん
- 村上春樹の「風の歌を聴け」のジェイズ・バー(映画ロケ地)
- 村上春樹うどんツアー(中村うどん)
- 鈴木清順 「悲愁物語」を観る
- 西原村と水俣市のフィールドワークふり返りのグループワーク
- アメリカの感謝祭(Thanksgiving Day)
- コンタクト
- 「宅老所よりあい」の下村恵美子さん引退。「よりあいの森」にて(8/31)
- 「なめとこ山の熊」鉛温泉・藤三旅館
- 著書・論文・報告書など
- 最終講義のスタイル
- 日本社会事業大学(旧・原宿キャンパス)
- 鈴木清順「ツィゴイネルワイゼン」を観る
カテゴリー
- トップ (1,607)