拙著『福祉社会学の思考』(弦書房,2024)の書評が、日本社会学会の機関誌『社会学評論』300号に掲載されました。評者は東京大学副学長の佐藤健二さんです。「連想を楽しみつつ、興味深く読んだ」とありますが、さまざまな論点についてご指摘をうけました。さすがに学会誌の書評ですね。今後にいかしていきたいと思います。
拙著『福祉社会学の思考』(弦書房,2024)の書評が、日本社会学会の機関誌『社会学評論』300号に掲載されました。評者は東京大学副学長の佐藤健二さんです。「連想を楽しみつつ、興味深く読んだ」とありますが、さまざまな論点についてご指摘をうけました。さすがに学会誌の書評ですね。今後にいかしていきたいと思います。
ブックスキューブリックでのブックトークの詳細が決まりました。http://bookskubrick.jp/event/6-9
『福祉の起原』発売記念 安立清史×村瀬孝生トークセッション
日 時:2023年6月9日(金)19時スタート(18時30分開場)
会 場:カフェ&ギャラリー・キューブリック
(福岡市東区箱崎1-5-14ブックスキューブリック箱崎店2F・
JR箱崎駅西口から博多駅方面に徒歩1分)
出 演:安立清史、村瀨孝生
参加費(要予約):税込2,500円(1ドリンク付)
※オンライン配信も行います。
※終演後「サイン会」を開催いたします。
※終演後に同会場で懇親会あり(参加費2000円・軽食と1ドリンク付・要予約)
※参加費は当日受付にてお支払いをお願いします。
▼会場参加ご予約はこちら(税込2,500円・1ドリンク付き)
①Googleフォーム
https://forms.gle/4ywGwMXu8kMsMErH7
②Peatix
https://peatix.com/event/3586223/view
社会調査実習を受講している3年生は、こちら。
東京自由大学
東京神田に、NPO法人・東京自由大学というのがあります。
先日、神田の路地裏のビルの一室にあるこの小さな「大学」で、社会学者・大澤真幸さんのゼミ(というか講義)に出席してきました。
大澤真幸さんは、じつは、大学時代の同級生で親友です。現在、もっとも活発に言論活動をしている社会学者のひとりだと思います。
311後の日本社会についても活発に発言していますが『夢よりも深い覚醒へ―3・11後の哲学』(岩波新書)などは、私の演習でも取り上げてじっくりと読みましたが、じつに多くのことを考えさせてくれるものだったと思います。
小泉時代の郵政民営化選挙、前回の民主党政権奪取の総選挙とくらべて、今回の選挙でなぜ投票率がこれほどまでに低かったのかについて、じつに卓越した分析を話していました。前回2回の総選挙は、実質的に私たちの生活の根幹に関わる本質的な問題ではなかったので、安心してして「エレベーターの閉ボタン」をみんなが一所懸命押すように、投票した。それにたいして、今回の選挙は、実質的な選択ができる「自由」を与えられたにもかかわらず、私たちはこの「選択」のまえに「ひるんでしまった」。喩えていえば、生活習慣病にかかった私たちが「いずれ、生活を変えなければならない」ことは分かっていても、すぐに生活習慣を変えろと言われると、「きょうからなんて、いきなりできないよ」「いずれするよ、いずれ」とかえって猛反発したのではないか、と分析していました。ほんとうに、そのとおりですね。
総選挙が近い
12月16日はいよいよ総選挙だが、この日は、東京への日帰り出張になっているので、期日前投票にいってきた。さて、この選挙、どうなるのだろうか。たいへんな時代の重要な選挙なのだが、どうも、こう、何かが良い方向へ変わるという期待や手応えが持てない。写真家・藤原新也のサイト「Shinya talk」は、まえから興味深く読んでいるのだが、なかなかうがった話が多く(安倍晋三や石原兄弟など)、写真家の見る超現実が分かってきて、面白い。
社会学文献案内
大澤真幸 『動物的/人間的』 弘文堂(現代社会学ライブラリー)
動物と人間とは、どこがどう違っているのだろう。
進化論の教えるところでは、それは連続線だという。現代の生物学では、動物も人間も、遺伝子の乗り物であって、個体は遺伝子に操作されているだけだとする(ドーキンスなど)。
では、動物と人間との分かつ境界線は、何なのだろうか。
これまでの社会理論は、それを「インセストタブー」(レヴィ・ストロース)としたり、「言語」(吉本隆明や橋爪大三郎)としたり、「シンボル」としたり、様々な理論があった。
大澤真幸の新著は、ドーキンスの「利己的遺伝子」論や現代社会生物学の「包括適応度理論」などを批判的に乗り越えようとした真木悠介の「自我の起源」論をさらに独自に発展させようとするものである。
そのさいに、サル学や最新の生物学の進展などをふまえ、縦横無尽にこれまでの「常識」に切り込む。まさにスリリングな思考の挑戦の醍醐味がある。4巻本として予定されていて、まだその最初の第一巻なので、この先、どのように展開していくのか、まだ全貌は現れていないが、きわめて挑戦的な一冊である。後半にある「なぜ人間の赤ん坊は、うつぶせでなく、仰向けに寝るのか」「なぜ人間の眼は、白目があんなに大きいのか」といったところから、動物と人間とを分かつ一線に迫ろうとするところなど、じつに面白くて、自然にわくわくしちゃいませんか。
社会学文献案内
小熊英二『社会を変えるには』集英社新書
新書だが、500ページある大冊だ。北海道で社会学会があったので、持参して、往復の飛行機やホテルで読んだが、1日100ページ読んでも5日かかった。でも、するすると読めるし、面白かった。書かれていることの95パーセントは、オーソドックスな社会学の入門編で、すでに知っていることや、知られていることだ。でも、残りの5パーセントに、この著者の力量が込められている、と感じた。みんなが知っていること、よく言われていることをベースに、小さな、しかし、意味のあるひねりを加えている。もしくは、ほんの少し前進しようとしている。その「少し」がとてもたいへんなことは、あまり知られていない。でも、まったく新しいことを、たくさん言うことはできない。ほんのちょっとでも、突破して、みんなが言えなかったことを、言う。表現する。それがとても難しくて、しかし、意味のあることなのだ。そういうことは、ものを書いてみた経験のある人なら、誰でも分かることだ。しかし、そのほんの少しの違いを、しっかりと判断して評価することも、あんがい難しい。学生諸君には、本書にとりくんで、そのあたりの鑑識眼を養う一助にしてもらいたい。
Intenational Journal of Japanese Sociology
この3年間、日本社会学会・理事をつとめてきました。理事としての担当は、ワイリー・ブラックウェル社から発行している『Intenational Journal of Japanese Sociology』の編集でした。IJJS編集委員会は、編集委員長・橋爪大三郎(東京工業大学)、副編集委員長・安立清史で3年間編集をしてきました。なかなかたいへんな作業で、これまでの編集方針を大きく変えて学会員以外にも投稿の門戸を広げたり、日本社会学会学術奨励賞を受賞した論文を、翻訳して掲載することにしたり、2014年の世界社会学会に向けて、日本の社会学の古典的成果を発信しはじめたり、さらに、昨年の東日本大震災にあたっては、いちはやく特集号をくんで、東日本大震災にたいして日本の社会学者が、どのようにアクションを起こし、どのようなことをリサーチしているのかを世界に向けて発信してきたりしました。なにぶん至らないところが多かったと思いますが、いちおうの責務を果たし終えたところです。
九州大学 ホームカミングデー&アラムナイフェス
”分野と世代を超えた、九大人のつどい”
当日のご参加も歓迎いたしますので、
在学生・卒業生・教員・地域の皆様お気軽に遊びにきてください!
本年は、九州大学が卒業生・
ミングデーと昨年発足し、全学を対象とした卒業生・修了生、
在学生の親睦、
の九大アラムナイフェスを合同開催し、相互の連携を深め、
大学の発展に寄与することを目指します。
・日 時:平成24年10月20日(土) 10:30~16:00
・場 所:箱崎キャンパス (福岡市東区箱崎6-10-1)
・対 象:卒業生、在学生、教職員、一般市民
・参加費:500円(会場環境整理・交歓会参加費)
・詳細はこちら
◇ホームカミングデーホームページ
http://www.kyushu-u.ac.jp/
◇Facebook(「九大アラムナイ:九州大学福岡同窓会」
http://www.facebook.com/
梅棹忠夫の『知的生産の技術』
とうとうこういう時代になったのだ。
きょう、社会調査実習に関する授業の中で、私にとってはサプライズがあった。
梅棹忠夫の『知的生産の技術』(岩波新書)の紹介をしたら、誰ひとり、読んだことのある学生がいなかった。大学院生のティーチング・アシスタントですら、読んだことも聞いたこともないという。
があーん。そういう時代になったのかなぁ。そういえば、村上春樹も、みんな、読んだことがないと言っていたし。
でもなぁ、35年くらい前、私が高校生だった頃は、みんな高校生で、この本は読んでいたぞ・・・てなことを言っても、まったくの「おじさん言説」になってしまう今日このごろ、秋の夕暮れであった。
さて、この流れは、どこまでいくのか。